1-6 同業他社を研究する



あなたがこれからスタイリストとして活動するにあたって、まず始めにすべきなのは「同業他社の研究」です。

既にこの業界で活躍している他社を徹底的に研究することで、あなたが今後どのようにパーソナルスタイリスト業を展開すべきなのか、どのようなビジネスの可能性があるのかが明確になります。

ゼロから手当たり次第に仕事を始めるよりも、競合他社の良いところを徹底的に真似してみる。そうすることで、軌道に載せるまでの期間を大幅に短縮することができます。

僕が独立したのが2009年、今から10年以上前になります。その頃から既に活躍しているスタイリストの方は数名いました。僕はそれらの諸先輩方を見て、正直「これくらいのセンスだったら、すぐに追い抜ける」と考えていました。

ところが、話はそんなに簡単ではありません。先程から何度もお伝えしているように、この業界はセンスの良さだけで勝ち残れるものではありません。既に活躍されているスタイリストの方々は、様々な工夫を凝らしながら、スタイリスト業を展開していたのです。

活躍するには確実に理由があります。

これらの優秀な競合他社を研究することで、「どうすればスタイリストとして活躍することができるのか」が少しずつ見えるようになります。

こちらのページでは、代表的な競合他社を例に出しながら、そのビジネスモデルについて研究していきたいと思っています。

フォースタイル




2009年、僕が独立した頃から既に活躍していたのがフォースタイルさん。久野梨沙さんという女性の方が代表を務めています。

この会社は全体のバランスの良さが際立ちます。個別のスタイリングもしっかりと行っていますし、セミナーや講演にも力を注いでいます。メディア出演も多いですね。

そしてスタイリスト養成講座も積極的に行っています。このようにいくつかの事業の柱を持つことで、収益のバランスが取れるようになります。目指すべきはこのようなバランスの良い経営です。

そしてコンセプトも素晴らしいですね。

「服装心理学」という独自のメソッドを用いたファッションコーディネートを行っています。このようなオンリーワンの特徴を持つことで、他社との圧倒的な差別化ができます。

久野さんの学生時代に学んでいた心理学からこのようなコンセプトが生まれています。

後ほどしっかりと学んでいきますが、他社との差別化のためには、圧倒的なコンセプトが必要になります。

あなたがこれまでの人生で経験してきたこと、自慢できるような特技、または自分自身のコンプレックスから、独自のコンセプトを生み出すことがとても大切です。

フォースタイルさんは「服装心理学」というコンセプトで圧倒的な差別化を生んでいます。これは絶対に参考にすべきです。

ファッションレスキュー




ファッションレスキューさんは「パーソナルスタイリスト」という言葉を生み出した、政近準子さんの会社です。この業界ではもっとも古い歴史を持つ会社です。

個別のスタイリングも行っていますが、メインとなるのが「パーソナルスタイリスト養成学校の運営」です。もっとも歴史のある会社ですから、スクール運営をメインに添えるのはとても説得力があります。今までに多くのパーソナルスタイリストを輩出しています。

スクール運営は価格単価も高いため、安定したビジネスモデルと言えます。

一方、ホームページを研究するとここ数年で大きな変化がないため、ちょっと古くさい感じがします。常に時代に合わせて、事業内容やホームページを更新することが大切です。

ビジネスにおいて「現状維持」は有り得ません。常に進化を続けないと、着実に下り坂を進むことになります。

どんなに圧倒的なポジションを築いていたとしても、常に変化を止めてはいけないことを覚えておいてください。

エレガントカジュアル(通称エレカジ)




男性専門のスタイリストとして活動されている、森井良行さんの会社です。

軸となるのは3つ。個別のスタイリング、セミナー開催、スクール運営です。王道のビジネス展開と言えます。

エレカジさんが圧倒的に優れているのは、ブログの使い方です。常に積極的に情報発信を行っています。

実はブログをずっと書き続けるというのはとても難しいことです。ネタがなくなったり、書くのが億劫になったり、ブログを途中で止めてしまう人が圧倒的に多いのです。

森井さんはこの情報発信を常に欠かしません。その結果として、メディア出演のお声が掛かったり、本の出版にも繋がっています。

森井さんは次から次へと新しいチャレンジを取り入れますし、ブログでの発信も常に怠りません。だからこそ第一線で活躍することができているのだと思います。

ぜひ参考にしてください。

ソーニョスタイリング




この会社のユニークなところは、男性スタイリストである金川さんが、あえて女性のスタイリングに特化しているということです。

実際、男性が女性のスタイリングを行うという会社は極めて少ないです。これだけでも圧倒的な差別化になります。

逆に、女性が男性のみを顧客とするのも良いですね。あえて「異性の視点」を活かしながらビジネスを展開するというのは、目の付けどころが素晴らしいと思います。

また、SNSの使い方も上手です。金川さんはインスタグラムに力を注いでいます。女性はインスタグラムのユーザーが多いので、ここでしっかりとポジションを取るのはとても効果的です。

戦略的なビジネス展開を行っているパーソナルスタイリストだと言えます。

みなみ佳菜さん




みなみ佳菜さんはどちらかというと後発のスタイリストです。僕よりも3〜4年ほど遅く独立されていると思います。

「働く大人の女性のためのスタイリスト」というコンセプトも素晴らしいですし、ホームページの構成も完璧です。読みやすく、お客さまにしっかりと寄り添っているのが伝わってきます。

女性でスタイリストを目指す人はぜひみなみさんのホームページを参考にしてください。親しみやすいストーリーを上手に描いています。

ライフブランディング




ライフブランディングさんは創業12年を越える、老舗のパーソナルスタイリスト会社です。

こちらのビジネスモデルはかなり独特です。まずはホームページでカウンセリングの予約を集めます。そして青山のサロンに来てもらいます。

サロンには既に服が用意されていて、それを着てもらいながら服の販売をします。スーツやジャケットに関してはオーダーメイドをお薦めされています。

パーソナルスタイリストというよりは、むしろアパレルショップやオーダーサロンに近いビジネスモデルだと言えます。

服の小売業にパーソナルスタイリストの要素を取り入れたというのがこの会社の斬新なコンセプトになります。

このビジネスモデルを考えた時点で、ライフブランディングさんは圧倒的に他社との差別化ができています。それが12年経った今でも機能しているのはとても素晴らしいです。

なかなか簡単には真似ができませんが、パーソナルスタイリストという基盤を使って、いかに発想を広げられるのか。その良いお手本となる存在です。

株式会社SO styling




そして最後は私、「株式会社SO styling」こと大山 旬です。

うちの会社もかなり独特なビジネスモデルを採用しています。基盤になるのは個別スタイリングなのですが、あえて「経営者専門」にすることで、単価を大きく引き上げています。

通常のパーソナルスタイリストの客単価は2〜3.5万円程度ですが、うちの場合は平均で20万円前後になっています。あえて経営者に特化することで、大きく単価を上げることに成功しました。

また、ファッションのオンラインスクールの展開も行っています。ビジネスの世界でトレンドとなっている「サブスクリプション」を取り入れ、月額840円でファッションを学べるサイトを運営しています。こちらのサイトだけでも月間60万円の利益が上がっています。

本を書いたり、メディア出演をしたり、最近ではスタイリスト養成講座の運営も行っています。このように様々な事業の柱を持つことで、安定した収益を生み出すようにしています。

またYouTubeを始めとしたSNSの活用にも力を注いでいます。このように圧倒的な行動量で新しいビジネスを生み出すのが当社の特徴になります。

活躍するにも理由がある


パーソナルスタイリスト人口は年々増えています。その中でもしっかりと稼げている人、活躍している人はほんの一握りしかいません。

同業他社の事例をよく研究してください。そしてどんどん真似してください。

1社だけを真似るのではなく、複数の会社の良いところをミックスする。そこに自分なりのカラーを入れたら、それは完全なオリジナルになります。

僕自身、これらの同業他社の動き方をさんざん研究して真似させてもらいました。またスタイリスト業界以外の動向もチェックして、なるべく生かすようにしています。

完全オリジナルのビジネスを考えるのは難しいものです。まずは他社を真似てみる。そしてミックスしてみる。その中から自分らしいパーソナルスタイリスト業を模索してみてください。

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