5-5 ショッピング同行②



店員さんとの信頼関係が円滑に築けていれば、事前に商品の取り置きをしても、決して嫌がられることはありません。

服が売れない時代ですので、スタイリストが来ることで売上が上がるというのは、決して悪いことはではないからです。

事前に3店舗ほど回って、商品の取り置きをしておきましょう。

ちなみにお客さんとのショッピング同行で回るお店の数は、1〜3店舗以内にします。僕たちスタイリスト側の感覚だと、できればたくさんのお店を回ってあげた方が親切な感じがしますよね。でもこれは大きな誤解です。

ファッションが苦手な人にとっては、色々とお店を回ることはかえって苦痛です。そのお客さんの雰囲気にはどこのお店が合いそうなのか、あらかじめ軸足となる1店舗を決めておくと便利です。

たとえば、「今回はユナイテッドアローズを軸足に、インナー類やボトムスはユニクロを使おう」このような感じです。最大でも3店舗以内に抑えておくのが理想的です。そうしないとお客さまは疲れ果ててしまいます。

ショッピング同行の時間も長ければいいというものではありません。むしろ長くなりすぎないように注意が必要です。僕も独立したての頃には、5〜8時間くらい使っていました。

これはお客さまにとってはかえって迷惑です。こちらはサービス精神旺盛なつもりでも、相手はそのように感じていません。ショッピング同行はせいぜい2〜3時間以内で終えるようにしましょう。

どのお店を使うべきなのか?




続いて具体的なお店選びについて考えていきましょう。

パーソナルスタイリストとして活動する中で、どのお店を使うのが良いのかと言うと、実はある程度選択肢は絞られてきます。

僕はこの10年間で徹底してお店のリサーチをしました。ベーシックで、大人っぽくて、使い勝手の良い服が並んでいるお店。なおかつ、スタイリストがいなくても、お客さんが気軽に入りやすいお店・・・ このような条件が揃ったお店は限られています。

僕が信頼を置いているのは以下のお店です。

①UNITED ARROWS
②グリーンレーベルリラクシング
③スーツカンパニー
④エディフィス
⑤ナノ・ユニバース
⑥ユニクロ
⑦エストネーション
⑧バーニーズニューヨーク


いわゆる「セレクトショップ」という業態です。これらのお店は全国各地にありますので、(⑦⑧は除く)お客さんがご自身で買い物をする際にも便利です。

接客の押しが強くなく、店員さんのセンスも信頼できます。また、ベーシックで使い勝手の良い服が並んでいますので、非常に使いやすいです。

多くのパーソナルスタイリストを見ていると、よく使っているお店は大体この辺りに落ち着きます。僕は基本的に銀座でしかスタイリングをしないのですが、これらのお店の中で同業の人とすれ違うことはとても多いです。

すでに活躍しているパーソナルスタイリストがこのようなお店を使っていますので、みなさんもぜひこれらのお店を積極的に活用してみてください。

お客さんの予算感を把握する


お客さまによってお洋服に掛けられる予算感は大きく異なります。カウンセリングの際に事前にご予算を伺うようにしましょう。ただ、多くのお客さまは「服がどれくらいの価格なのか」をよく理解していません。

そのため、予算を全身で5万円に設定する人もいます。これくらいの価格だと、ユニクロやGUでしかコーディネートができません。大切なのは、事前に予算の目安となる金額を伝えておくことです。たとえばこんな感じです。

松:30万円〜(ブランドショップ)
竹:20万円〜(セレクトショップ)
梅:10万円〜(ユニクロ、GUなど)

このように松竹梅形式で事前に目安を伝えておく。そうするとお客さんも予算のイメージが付きやすいです。

ちなみに、ショッピング同行のサービス料金が安ければ安いほど、お客さんの質は下がります。洋服代に10万円以上掛けられないという人がほとんどです。

僕がショッピング同行を1.5万円で提供していた頃には、洋服の予算は3〜5万円という人が多かったです。これだと僕たちのモチベーションも上がりませんよね。そこで思い切ってサービス料を値上げしてみたところ、お客さんのお買い物予算も大きく跳ね上がりました。

せっかくファッションを根本から変えるのですから、予算はそれなりに大きい方がいいです。予算が少ないと、ユニクロやGUでしか選べなくなります。それではクオリティの高いスタイリングを提供することはなかなか難しいです。

サービス料をいくらに設定するのかはとても大切です。できれば1回のショッピング同行で3〜5万円くらいを目指すようにしてください。

どのお店を軸足にするのか




先程挙げたセレクトショップの中でも、お客さんの予算によって軸足となるお店は変わります。

予算が10万円以内の場合は、グリーンレーベルやユニクロをメインとして使います。ジーンズや無地Tシャツなどのベースとなるようなアイテムはユニクロで揃え、ジャケットやシャツなどの目立つアイテムはグリーンレーベルを使うなど・・・ 予算配分を工夫することで、なるべくコスパの良い提案をすることができます。

スーツやビジカジのスタイリングの場合は、予算が限られている時にはスーツカンパニーやスーパースーツストア、もう少し余裕がある場合はユニバーサルラゲージがグリーンレーベルを使います。

予算が10万円以上の場合は、エディフィスやUNITED ARROWSが軸足になります。この辺りのショップだと、もっともコスパが良く、満足度の高いスタイリングが提供できます。

一方で経営者・ハイクラスのお客さまの場合、通常のセレクトショップではあまり満足感が得られません。そういう時には、エストネーションやバーニーズニューヨークを軸足として使います。

お店の雰囲気も上品ですし、特別感があります。これらのお店を使うことで満足度を高めることができます。

このようにお客さんの予算によって、どこのお店を軸足にするのかを決めると良いでしょう。

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